[2010/08/22] ドロンパの部屋 1

僕の名前はドロンパ。

震災後迷っていた野良犬の僕をお母さんが拾ってくれたんだ。お父さんは旗谷動物病院の院長なんだよ。ちなみに自慢じゃないが僕は純粋の雑種犬。お父さんの病院は垂水で二番目に古くて、一番目に小さい病院だけど僕から言わせりゃ腕は世界で一番さ!

 

だって、お父さんはいつだって真剣勝負。つい厳しい言葉も多くなるけど、お父さんはいつも言ってるよ。「医者は優しいことよりもまず治すこと。治してなんぼなんだぞ!」って。診察している時が一番幸せで生き生きしているお父さん。日頃、自分を信頼して通って来てくれている患者さんに対しては、夜中もいとわず責任持って診察するその姿に、実は僕、惚れているんだ。


お母さんが「検査のデータでしか診断出来ない医者が多くなってきた今、鋭い五感のアンテナを持つ団塊の世代の貴重な存在の医者だ」とお父さんのこといつも僕に言うんだ。お母さんはね、もともと音楽大学でピアノを教えていたものだから35 年前結婚したばかりのころは手術中のお腹の中とか血とか見たら卒倒してひっくり返ったんだって。でもお父さんは「何やってるんじゃ~~。ちゃんと立て~~っ」と厳しかったって。でもそのおかげで今では「お産で死にかかって生まれた子の蘇生では誰にも負けない!」って自慢しているよ。

 

それからお母さんは今までペットショップで買って来た動物を飼ったことは一度もなくて、僕みたいな捨てられた野良の犬や猫ばかり家族にしてくれるんだ。僕にも毎日のように「最後まで必ず面倒みて可愛がってあげるからね。安心するんだよ」って言ってくれるんだ。病院の原田先生は26年目、トリマの金子さんは 13年目。お父さんの病院は皆一緒の家族みたいなんだ。だからこんなに長い間変わらずスタッフでいてくれる。

 

10年前は野良でどうしようもなく荒んでいた僕だけどこんな旗谷動物病院の家族になれてホントに良かったなぁ~。今では僕、旗谷家の「長男」として大切にしてもらっているんだぞ。
そうそう一つだけお父さんに頼みがあるんだ。体に悪いからって、ジャーキーを食べさせてくれないんだ。「お父さん、一本だけでいいからジャーキーちょうだい?」

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